もりたのおもしろいものたち。

Webサイトを見る男。ブルーパドル「みんながアクセスすると劣化する記事」

 

 逆を張る。マラソンを逆走するような、そんな奇行をやってのけた時にその存在は一際輝くようになる。いわば、目立つ。今日僕が見た記事はブルーパドルの佐藤ねじさんが作り上げたWebサイトだ。

 

「みんながアクセスすると劣化する記事」

 

web-media.blue-puddle.com

 

 初見で聞いた時に「やられたーー」と声が漏れました。重力からも時間からも切り離されたインターネット。本や家電のような経年劣化は起こることなく、Webサイトはただずっと綺麗なままで残り続けている。そこで佐藤ねじさんが閃いたのがこのサイト。閲覧数が増えるほど文字がかすれていき、公開されてから日が経つほどに黄ばんでいく。実際にいまはもうかすんでしまっているんですが、以前はずっと綺麗でした。天才かよ。昔から、すごい人だなぁとは思っていたんですがこれにはやられました。

 

 サイトの便利なところである不変性をむしろ逆手にとって、経年劣化するサイトを作ってしまう。サイトが変化していく様を、僕たちはコンテンツとして消費している。佐藤ねじさんがサイト内で言われている通り、いま、インターネット全体が急速に消費されて、忘れ去られていく傾向にあると思います。そういった消費期限を伸ばすために、このサイトを作るセンスの良さ。ため息が出るくらいに素晴らしいアウトプット。なによ、これ。感動しました。はぇ~。

 

 放送作家藤井健太郎さんが、クイズ!正解は一年後でも時間を使った演出をしていますよね。あれも、テレビで時間を使った企画が少ないからこそ、そういった企画を練ったんだそうです。そういうところから考えても、やっぱり逆張りって目立つんですよ。目の前にある普通を疑って、そこに新たなモノを生み出していく。そういうことに逆張りの魅力があると思います。

 

 こういったアウトプットは本当に見習いたい。そして、作っている時めっちゃ楽しかったんだろうなって思う。いいコンテンツはみんなが楽しくなる。俺もこんなのが作りたい。