もりたの広告の話。「#イートミントなうはコピーライターという職業を滅ぼすのか」
どうも、もりたです。
コピーライターになりたい人です。
以上です。
自己紹介だけで帰ろうとしてすみません。今回はあまり言及したくない問題なんですが、自分でも頭を整理していくために書いていきます。先日、Twitterで話題になった#イートミントなうというキャンペーンをご存知でしょうか。ロッテがツイッターで仕掛けた広告なんですが、簡潔に言えばたくさんのインフルエンサーを使い、ツイッターのトレンドに押し上げるというハイパー物量ハイパー無差別アタック。分かりづらいですね。実物を見ていただきましょう。
キャッチコピーを考えてって言われたからイートミントを食べながら考えたんだけど、「めちゃスースーするなあ」と感心しつつ、銭湯行ったりゲームしたりしてたら締切を過ぎました。 #イートミントなう #広告 pic.twitter.com/s8cbsujFV5
— ヨッピー (@yoppymodel) 2017年11月28日
これは僕も大好きなブロガーというかサウナ神というべきなのか実際どんなことをしているのかあまり説明できない、インターネットで一番数字を持っていると噂の御方ヨッピーさんのツイートです。サウナ神って呼ぶのが一番説明できてる気がしますね。ロッテが手がけた広告手法とは、このようなWebで数字を持っている人たち、いま話題の言葉を使うならば、インフルエンサーにイートミントの広告を考えてもらい、そのすべてを共通のワードである「#イートミントなう」というハッシュタグを用いることで話題の共有。そして、なおかつ、同じタイミングで呟いてもらうことでトレンドへの急上昇、そして故意的なバズを引き起こす。そのような作戦でした。
そして、コピーを考えるなどだけではなく、
ロッテさんのイートミント
— 深井さち(sachi) (@DeepSachi) 2017年11月28日
広告モデルを務めさせて頂きました✨
噛んだ瞬間口の中爽快✨
オススメです✨
photographerはフジイセイヤさん。#イートミントなう #広告 pic.twitter.com/QGQBQ6cGRT
写真や
口の中で溶ける!ガムでもないタブレットでもない新感覚ミント『EAT MINT』を食べて描いてみた。コンビニと駅の売店で販売中! #イートミントなう#広告 pic.twitter.com/gwVavYQ9XW
— 🥓かわベーコン🥓 (@kawabe_kon) 2017年11月28日
イラスト
ロッテさんのキャンディ『イートミント』とのコラボラテアートつくりました!リフレッシュといえばミントとコーヒー。 #イートミントなう #広告 pic.twitter.com/BVAwf91k97
— じょーじ (@george_10g) 2017年11月28日
果てには、ラテアートなど
そのインフルエンサーにとって得意な分野でイートミントの広告を制作してもらう。そうすることで、ただ広告とまとめて言ってしまっても多様な表現があって、ひとつひとつ違うものがなっていました。それら全てが#イートミントなうという言葉によってシェアされている。自分の好きなインフルエンサー達だけではなく、様々な人たちの広告を見ていくことによって商品との距離がどんどん近くなり、興味が高まっていく。そして、ロッテの資金力は半端ない。よく言われているインフルエンサーだけではなく、もっとコアな、わかりやすく言うならちょっとフォロワーが少ない、いつもならインフルエンサーとして起用されないような方たちも今回は起用されていました。そういう方を、ナノインフルエンサーと呼ぶらしいですね。僕のフォロワーは300人です。その半分が恐らくスパムか何かです。たすけて。
つまり、そういうナノインフルエンサーの方たちにとっては、自分のことをトレンドを通じて他の人に知ってもらえて、ロッテにとっては商品の情報がいろんな人へと届いていく。ウィンウィンの関係ってやつですね。カタカナで書くと訳がわかりませんね。Win-Winって言いたかったんです。僕は広告の理想形はWin-Winだと考えていて、広告があるから商品が売れる=広告のおかげで知らなかった商品を買えて幸せ。そういう関係の架橋になる広告が理想ではないかと思っています。大層なことを言っていますが、僕の現職は郵便局員です。ポストしばいて生きてます。
そんな理想から語るならば、今回はこの仕掛けはイートミントとナノインフルエンサーに対してお互いに効果を生み出したと考えています。
それでは、消費者に対してどんな効果を与えたのでしょうか。
それに関してはこちらの記事が本当に参考になりました。
いつも記事を読ませていただいているココロヨい(@kokoroyo_i)さんの#イートミントなうとほぼ同時期にTwitterでトレンド入りしていた香取慎吾さんと稲垣吾郎さんのオールフリーの広告を比較する記事です。そのトレンドに対して反応していたツイートがポジティブかネガティブかなどの詳しい分析があって、とても興味深い記事でした。僕にはできない技術だぁ。正直僕はこの記事を見るまで手放しに喜ぶほどにイートミントのキャンペーンの成功を疑わなかったです。本当に新しい、挑戦的な手法だと驚きました。なんならコピーライターという職業の崩壊とまで。しかし、この記事を見ていると、ネガティブなイメージを抱いた人も少なくないことが見受けられます。簡単に言えば、物量作戦ですから苦手な方は嫌悪感を抱くかもしれません。
しかし、まだこのキャンペーンは始まったばかり。お菓子などの安く買える商品に対しては認知度が購入意欲に大きく関わってきます。ある広告人がこんなことを言っていました。「私たち広告の仕事は、商品を買ってもいいかなという一歩手前。つまりは選択肢にその商品を付け加えることである」と。だれかは忘れました。分かる人は教えてください。つまり、タブレット系の商品を買う際にあの話題になっていたイートミントはどうかなと思わせればよいのです。そういう点に置いては、今回の広告は成功とも言える効果があったのではないでしょうか。
いままでで2000字くらい書いてしまいましたが、ここからが本題です。
#イートミントなうはコピーライターという職業を滅ぼすのか。
結論、滅びません。
広告製作というものは、いままで影の仕事でした。僕は広告が好きなのでコピーライターやクリエイティブディレクターの方々の名前を挙げることはできますが、多くの人にとって広告は誰が出てるかが気になる部分で、誰が作ったなんて興味ない部分です。TVCMや新聞広告が主流だった、つまりは4大マスメディアが台頭していた時代はそういったものでよかった。ですが、いま時代は変わりつつあります。Webの繁栄、流行語にノミネートされたことからもわかる通り、インフルエンサーという個人個人が大きな力を持つ時代になりました。受動的な時代から能動的な時代への変遷はよく言われること。だからこそ、発信力のある個人がコピーを製作するという手法はよくよく考えれば、この時代では王道的なマーケティングだと思います。
そして、コピーとは精度のとやかくを言わなければ、誰にでも書けるものなんです。
しかし、コピーライターは絶滅しません。いえ、商品コピーを書くということはもしかしたらコピーライターが手がけることはなくなるかもしれませんが、そのキャンペーンの根源となる言葉を書く仕事はなくなりません。今回で言うなら「#イートミントなう」この共通の言葉がなければ、企画は成功しませんでした。うまく言えないんですけど、表現の、コミュニケーションの根幹って結局は言葉なんだと思っていて。それが正しく、ちゃんと伝わる言葉じゃないと広告は成功しないと思うんです。最終的な表現がイラストであっても、音楽であっても、誰かのコピーであっても。その根にある言葉を書ける人間がコピーライターなんじゃないでしょうか。
つまり、コピーライターという職業は変わりつつあると思うんです。
ただ商品のコピーを書くんじゃなくて、道しるべになるような言葉を書く。ディレクターよりな職業になりつつある気がする。
そんなコピーライターならこの先も生き残っていくと確信しています。AIが台頭してこようが、インフルエンサーの発信力が強くなっていこうが、そんなことまで逆にうまく活用していけるような人間が、生き残ると思います。
そんな人に、なりたい。
こちらからは以上です。
もう一度言うけど、僕は下っ端郵便局員です。