もりたのおもしろいものたち。

MVを見る男。あいみょん「愛を伝えたいだとか」

 

(見る前)

 その、巷で人気なあいみょんって奴を聴いてやろうじゃないの。

 

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 やられた。やられました。この曲のMVを僕が作るならば、米津玄師が終電もなくなったような真夜中に瓶のお酒を手にして歌詞を口ずさみ、フラフラと踊りながら帰っていく。その光景を横から撮るみたいな。そんなMVを作りたいなんて思っていたんですが、このMVを目の前にして散りました。This is good.現場からは以上です。押し寄せるまでのリアリティ。「狭い部屋とそこにあるモノで楽曲を表現する」というフリーで無責任な指示。ノー編集、ワンカット、ワンカメラ。監督、ヘイ、監督。MV監督であるDRAWING AND MANUALの林響太朗さん。わかりました。あなたがやりたかったことがわかったような気がするよ。

 

 あいみょんの魅力ってなんだろう。そう考えた時に、等身大の歌詞ってのが上がってくるはず。そりゃ作曲センスとか他にももちろんあるけれどさ。リアリティがあるって言ってしまえばそれだけなんだけど、ありのままっていうか。例えばこの「愛を伝えたいだとか」なんかだとこの世界のどっかにこんな奴いそうだなって思える。丸縁のメガネかけてそう。そんな歌詞を書けるあいみょんが持つ魅力を、そのままお茶の間にぶつけてやる。そう考えたみると、この企画の意図も分かる。

 

 無加工の天然あいみょん。指示もなく、無造作に部屋に置かれたものを使い、曲を表現しているありのままの彼女を、カメラも1つでカットもなし編集もなしというこれまた他の誰かの意図を挟ませることもなく送り届けている。産地直送!産地直送だよこれ!スーパーの青果コーナーで売ってたら、生産者のところにあいみょんの写真貼ってるよ絶対に。この人何言ってんの??

 

 MVはありのままのあいみょんを届ける。この企画の時点ですべてが完結しているから、あとは僕たちに出来ることはあいみょんを見ながら、あいみょんを聴くだけ。あいみょんあいみょんらしさをより感じさせる。そういった観点からでも、映像としても素晴らしい作品だと思います。