もりたのおもしろいものたち。

8月21日「道端で見た愉快な人」

 

 先日、飲み会帰りに終電に乗っていたら、男子大学生3人組が乗車してきた。彼らは座席にいる僕の前に立って話していた。そうなると嫌でも会話は聞こえてくる。ある程度聞いていると合コンの帰りだったようであーだこーだと相手の女性に対して愚痴を言っていた。「ノリが悪い」だとか「好みがいなかった」だとか。まあ聞いている限りでも失敗したんだなというのはわかった。合コンに行ったことがない僕にしてみれば、その時点で彼らは羨望の対象になった。残念な結果には終わったが、彼らは戦場に向かっていった勇者御一行である。僕はスタート地点の村人だ。レベルが違いすぎる。

 

 ところで、機能性のあるバックパックにはペットボトルなど飲料を入れておき、すぐに取り出せるエナメルのポケットがあるのはご存知だろうか。側面についてる半透明のアレ。便利なポケットであり、夏場にはよくポカリが挟まっているアレ。その部分が今回はキーマンになるので、まずはその部分をしっかり理解してほしい。

 

「やっぱりさ、ノリが合わないとキツいわ」そう言いながら、彼らの中でもリーダー格であろう茶髪の男は背負っていたバックパックを何かを取り出すために身体の前にずらした。もちろん、僕の目の前にバックパックが現れることになるのだが、その時僕はそのペットボトルを入れておくポケットに目線が行った。

 

 

 梅干の種が入っていた。

 

 

 カラカラに完全に乾いていた梅干の種。それがポツンと半透明のポケットに入っていた。どういうノリだよ。ノリが合うわけないだろそんな奴と。

 

 なにあれ、ちからの種とかそんなのなの?