もりたのおもしろいものたち。

MVを見る男。Foster The People「Houdini 」

 

(見る前)

 Foster The Peopleで一番好きな曲が「Are You What You Want to Be? 」なんだけど、っていうか、これ以外聴いたことなくて、試しに流れてきた動画を見てみた。

 

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 初見10秒後はまさしく腹抱えて笑った。ええええ!?死んどるやん!!?みたいな驚きと共に笑った。明日のライブを目の前に事故によって死んでしまった彼らFoster The Peopleのメンバー。その急な死にどよめくライブスタッフ達は、どうにかしてバレないようにライブを成功させるためにトリックを用いながらも悪戦苦闘していく。あらすじだけでもこれめちゃくちゃ面白いストーリーなので、2時間ものの映画とかにしてほしい。最初の黒子を使って、ダンスなんかは監督と同じ顔して「いけるやん」って思ってしまった。ただ、そこから大暴走が始まる。

 

 口を動かせるように弄ってロボにしてみたり、生身ではありえないムービングでキーボードに突っ込んできたり、くるっと回るとシャツが吸い寄ってきて何もせずともそれを着ているとか。この現場にはブレーキがなかった。明日がライブだからって暴走しすぎ。寝る前に我に返って後悔しろ。そんな暴走を誰も気にもせず、ライブ本番。誰も気付かないんかい。わあああああって大興奮してるけど。シャツ黒子が着ているシーンがもう意味わからなすぎて笑ってしまったんだけど。なんとライブはばれずに終わり、大成功。ライブスタッフはハイタッチし、大喜びしあう。そんな熱狂のなか、Foster The Peopleのメンバーが隅に放置されていて、おしまい。

 

 こんなふざけたMVもあるんやなって思って、ただ笑ってたんです。しかし、この曲のタイトル「Houdini 」にも調べていたら意味があって、「フーディーニ」って昔の奇術師で有名な人がモチーフなんです。脱出王ってあだ名の。かなり有名な人だったみたいで、アメリカでは一番とも言われるくらい。そういうモチーフから発想を得て、このMVのストーリーが生み出されたのではないでしょうか。

 

 結構いろんな意訳を読んだりしたら、この歌詞が自分は好きにやりたい。でも、お前らは今の俺が好きなんだろ?こういう曲が好きなんだろ?そんな作曲する上での苦悩を赤裸々に語っています。そういう想いがこの曲に乗せられていると考えると、あまりにも大げさで嘘みたいなライブ演出でもFoster The Peopleのメンバーの違和感に誰も気付いていないことへの答えになっているような気がします。どうせお前らは本当の俺たちを見ていないんだろ?と言いたがっているようで。

 

 バカなMVほど、深みがある。そんな説が生まれました。

 

 個人的には、1分29秒のぶらさげたままお菓子食うやつが一番好き。