もりたのおもしろいものたち。

MVを見る男。Avicii「Waiting for love」

 

(見る前)

Aviciiが亡くなった。惜しい人を亡くしたと思う。彼が作り上げた音楽は、ひとえにクラブミュージックやDTMと言ってしまえばそれまでだが、彼の音楽は誰かを、世界を熱狂させたことに違いない。高揚させる。言い換えれば、人を元気にする曲だ。

 

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少年ジャンプかよ。友情、努力、勝利。全部揃ってる。仲間に助けてもらい、ただひらたすらに遠い道を進み、お婆ちゃんに再会する。約3分間の壮大なストーリー。本当に良い作品なんですよ。DTMをよく聞く層、つまりターゲットは若年層なんですが、このMVの主役はお爺ちゃんであり、ヒロインはお婆ちゃん。仲間たちも全員お爺ちゃん。主要のメンバーが、全員高齢者なんですよね。そこがいいなって思ったんです。絶対にDTMとか聴かなさそうじゃないですか、彼等って。ターゲット層とは全く違う人達を起用したこの作品。逆に言えば、その他のこういう曲のMVの中では目立つんですよね。

 

逆張り。そして、このMVの凄いところは、可愛い女の子が出ているわけでもないしすごい映像技術があるわけでもない。これただのお爺ちゃんのロードストーリーなわけですよ。それなのに、なぜかお爺ちゃんを頑張れと思うし、再会したときはやったぜ。と自分も思ってしまう。強い物語性があるだけでもMVはしっかり出来る。このことに、このMVで僕は気付かされました。

 

強い物語性があれば、可愛い女の子も真新しい映像技術も必要ない。しかし、このMVには1つだけ謎が残るんです。お婆ちゃんはなんで消えたのか。とあるサイトにはお婆ちゃんは既に死んでいて、お爺ちゃんも死ぬことで天国に行って再会したとのこと。なーーんか違うよな。お爺ちゃんはしっかり生きたまま、友に助けられ、長い長い道を超えて、とある遠い遠い街でお婆ちゃんに再会したと僕は思っている。というより、細かいことはいいんだよ。


音楽なんてものは細かいところがわからなくても最高なものは最高なんです。アヴィーチの音楽はすっげえ耳が気持ちよくなる音なんです。それだけです。理論なんてものはわからなくても、頭を振って踊って、気持ちよくなれるものなんです。それでいいんです。


なんかそんなことを色々思ったMV。