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サカナクションは「ミュージック」で一度、完成したと思う。

 

 サカナクションの完成形は「ミュージック」

 

 どうも、もりたです。

 突然すみません。いきなり過ぎて少し驚いたかもしれませんが今回はサカナクションについて前々から思っていたことをそれはもう気持ち悪いくらい語っていきます。

 

 ご存知のかたも多いと思いますが、サカナクションは山口一郎さんを中心に結成された日本の5人組ロックバンド。「アルクアラウンド」で人気を博し、それからは日本の音楽シーンを牽引していると言っても過言ではない躍進を続けているグループです。牽引しているといっても、サカナクションは独自の音楽路線を突っ走っていますが。最近では月面移動車国際レースにて唯一日本チームとして参加するauの「HAKUTO」に応援楽曲を提供していたり、「多分、風。」をリリースしています。

 

 「多分、風。」は資生堂アネッサのTVCMソング。その前にリリースされた「新宝島」は映画「バクマン。」にて主題歌。やはり日本の音楽シーンにおける人気は計り知れないもの。ロックフェスで一度だけ生で聴いたことがあるんですが、会場が満員とかそんなレベルではなくて本当にライブが終わってから自分の体が五体満足だったことに感謝するくらいでした。そんな今もなお、人気であり続けるサカナクション。その進化は留まることを知りません。それなのに、僕は断言します。

 

 

 サカナクションの完成形は「ミュージック」

 

 

 僕とサカナクションの出会いは、「ネイティブダンサー」でした。初めて聴いたのは深夜の音楽番組。その時の僕は高校生。みんなが知っているような曲が苦手で誰も知らないような曲が知りたくて、明日も学校なのに寝ずにその音楽番組を見ていました。その時の衝撃はいまも忘れられません。初めて聴く音楽。エレクトロな靴が軽快に踊る、キャッチーなMV。一生懸命に名前と曲名をメモして、調べて、次の日には「ネイティブダンサー」が収録されているアルバム「シンシロ」を借りに走りました。

 

 それからはずっと「シンシロ」と「GO TO THE FUTURE」と「NIGHT FISHING」を延々と聴いていました。この頃はまだサカナクションは僕の周りでは有名ではなくて、誰も知りませんでした。何を聴いているのか聞かれたときに「サカナクション」って答えたら、「サカナアクション?」って聞き返されたのは忘れません。忘れないからな!!絶対に!!小林!!

 オススメ聴かせてよと言われた時に「Ame(B)」を聴かせたのはかなりの大失態だったと後悔しています。ごめんね小林君。

 

 そんな折、「アルクアラウンド」が発売。誕生日が近かった僕は、自分へのプレゼントとして買いました。人生で初めて買ったシングルでした。まじまじとジャケットを眺めては「おぉ」と声を漏らし、お気に入りのウォークマンに入れて、「いざ」と再生ボタンを押しました。

 

 なんかちがうな。

 

 アップテンポな曲調も好み。MVも、ワクワクするような映像。でもなんか違った。こればっかりは例えようもない個人的な感情でした。「なんかサカナクションっぽくない」「僕がサカナクションに求めているのはこれじゃない」今だからこそ思うんですが、クリープハイプの「社会の窓」で歌われているような気分でした。

 

感情の波を掻き分けて愛憎の海を泳いでる
凄く大好きだったのにあのバンドのメジャーデビューシングルが
オリコン初登場7位その瞬間にあのバンドは終わった

 

 人気になったから。音楽性が変わったから。youtubeのコメントで見るような、どこか傲慢で上から目線の感情でした。実際「アルクアラウンド」は当時、賛否両論が多かったようにも感じます。次のシングル「アイデンティティ」や「ルーキー」、『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』も曲としてはとても好みなんですが、「サカナクションとして好きなのか」と言われるとなんとなく違和感がありました。

 

 ようは、ファンをこじらせてしまったわけです。

 

 誰だか忘れてしまいましたが、とあるアーティストがこのようなことを言っていました。「昔の曲が好きですというファンよりも新曲が好きですと言ってくれるほうがファンだ」と。その言葉を引用するならば、こびりついた先入観にしがみつくだけの僕はもうファンとは呼べないものでした。サカナクションが日本を代表するロックバンドへと駆け上がっていくにつれて、僕の熱はゆっくりと冷めていきます。

 「目が明く藍色」も「夜の踊り子」も「エンドレス」も好き。ただ、あの頃のサカナクションとは違うけど。そんなめんどくさい言い訳がいつも後ろについてくる。

 

 そんな僕が「ミュージック」と出会ったのは、2013年でした。

 

 

www.youtube.com

 

 

 マジで泣きました。パソコンの前で。いまだになんで泣いたのかわからないんですけど、初めて聴いたときに勝手に涙がこぼれました。最後の盛り上がりでの鳥肌も止まりませんでした。この感情だけは言語化できません。ただ、「完成した」って思ったんです。ものすごい上から目線で恐縮なんですが、本当にそう思ったんです。

 

 これまでのサカナクションの曲。

 その良さを凝縮して、1曲に注ぎ込んだような。

 

 皆さんはサカナクションの語源を知っていますか。「サカナ」と「アクション」をくっつけているんですが、山口一郎さんはインタビューでひねくれたこと・いい意味でふざけたことをやりたく、バンド名にはあまり用いられない「サカナ」を入れ、変化を恐れずにやっていこうという意味をこめて「サカナのアクションでサカナクション」にした、という趣旨のことを言っているんです。そして、僕が尊敬している先輩は「山口一郎さんは、売れる音楽を考えながら作曲しているらしい」と言っていました。

 

 サカナクションも悩みながら、音楽を生み出していたんです。そんな当たり前のことまでも僕はわからなくなっていました。ミュージックのMVは、両端をヘッドホンに見立てて、可視化された音楽を表現しています。その視覚トリックや鮮やかな色彩も見ものなんですが、一番大事なのは中心に座る山口一郎さん。パソコンで視聴していると、山口一郎さんと自分自身がリンクします。最後の盛り上がりで、少しだけ笑いながら腕まくりをしてキーボードを叩きまくる姿。ヘッドホンをしながら、ノリノリで頭を振る姿。その人間臭さが、サカナクションもまた人によって作り上げられているものだったことを思い出させてくれるんです。

 

 苦悩して、楽しんで、恐れながらも挑戦して、思いっきり生きている。

 

 勝手に神格化していたんです。勝手に決めつけていたんです。でも、正解なんてないじゃないですか。変わらないままなんて無理じゃないですか。人なんだから。

 

 そんなサカナクションの挑戦を、苦悩を、すべて昇華させたのがこの「ミュージック」なんだと思います。

 

 サカナクションの完成形は「ミュージック」

 

 

 でした。

 

 

 しかし、まだまだ終わらない。「グッドバイ」「新宝島」「多分、風」とサカナクションは新たな挑戦を続けています。その完成をぶち壊して、より良くして、また新たなサカナクションらしさを生み出し続けていくでしょう。