Base Ball Bearの(WHAT IS THE)LOVE & POP?は、名盤。
どうも、もりたです。
いまはiPodを使っているんですが、高校時代はウォークマンを使っていました。なんでiPodに買い換えたのかっていうと友達にうまく乗せられて中古のiPodを買わされたからなんですが、まぁこの話は思い出したくないのでいいです。いいですよね。
久しぶりにSonicStage(ウォークマンのソフトウェア)を立ち上げてみると、その頃大好きだったバンドの曲が出てきて、感慨深いものがありました。僕ってほんとに好きなバンドが平家の栄枯盛衰レベルでうつろいゆくんですよね。ええ、言ってみたかっただけです。ELLEGARDENとかが画面に出てきたときは、うわ!!って声出しました。懐かしすぎませんELLEGARDEN。
でも、今日はELLEGARDENの話じゃないんですよ。ジターバグ。
僕が鼻水垂らしているような高校生だった頃から、「こいつはいいアルバムだぜ」って思っていたアルバムがあるんですよ。いい曲じゃないんですよ、いいアルバム。完成されすぎてて、ずっとリピートしていましたから。
今回はそれを紹介したいんですよ。
Base Ball Bear『(WHAT IS THE)LOVE & POP?』
- アーティスト: Base Ball Bear
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 2009/09/02
- メディア: CD
- 購入: 3人 クリック: 44回
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これです。「十七歳」に続く、Base Ball Bearの3rdアルバム。お金のなかった僕が初めて借りたBase Ball Bearのアルバム。ドラマチックがすごく好きだったんで、このアルバムに入ってなかったことに悲しんだことを覚えています。なぜこれを借りたし。アートワークに吸い込まれたんでしょうか。でも、すごい名作だったんですよ。名曲揃い。いや、ほんとに。一曲たりとも、無駄な曲がない。
なので、今回1曲ずつ紹介させていただきます。
12曲。
1.Stairway Generation
Base Ball Bear - Stairway Generation
はい、このベースラインたまんないですね。たまんない。
「あ、これ聞いたことある!」って人も多いと思います。アニメ銀魂のオープニングテーマになってました。副題は「Don't Belong, But Already No Retreat」
あがるしかないようだ Stairway
この部分にすべて集約されてます。文句言いながらもどんなものを抱えていても、目の前にある階段をあがるしかない。諦めというよりかは、上がってみせる。そんな強い意志を感じる一曲。イントロのベースラインから始まる疾走感のある曲調は、初めて聴いた時は圧倒されます。アルバムの先陣を切るにはうってつけの一曲。
2.SOSOS
副題は「Scream」 Stairway Generationの次に流れてくる曲。こちらも疾走感があるんですが、青春の鬱屈さともやもや、誰にも届かないSOS。内容的には救いを求める心の声を歌っていて、Stairway Generationとはまた異なる雰囲気を醸しています。
悲しいことは いつか終わるものだと 信じずには いられない
そんなわずかな淡い希望を持ちながら、SOSを送り続ける。そんな一曲。
3.changes<Album ver.>
副題は「Morning Always Comes (For Better or Worse)」
2つの曲とは違って、少しゆったりめの曲。明るめの曲調と心地よいベースラインが小耳良い一曲。アニメ図書館戦争のエンディングテーマ。さよなら、旧い自分。そう歌っているように、新しい自分、新しい明日、そういうものを受け入れて、駆け出していこう。そんなメッセージ性溢れる一曲。この記事を書くために調べていると、ボーカルの小出祐介さん曰く「厭な曲」らしいです。「明日が来る、なんて無責任な歌を歌いたくない」「アルバムに入れたくない」そんな気持ちだったそうです。今は「この曲があるからこそ、今がある」と思い、歌っているそうですが。
何かが変わる気がした 何も変わらない朝に
いつもより 気持ちのいい目覚めだった
でも、高校生の僕はこの曲がすごく好きだったんです。何かが変わる気がした、何も変わらない朝に。この言葉に共感していたんです。実際何も変わらなくても、何かが変わるが気がしていたんです。自分から駆け出さないと変わることなんてないのに。
changes さぁ 変わってく 失うものもある
でも いいんです ひとつ頷き 駆け出す さぁ
今聴いていると、この部分が胸に来るものがありました。変わっていくにはどうしても失うものもある。でも、いいんです。それを受け止めて、やっと変わっていくことが出来るんです。
そういう変わっていく自分達を後押ししてくれる一曲だと思います。
4.神々LOOKS YOU
副題は「Like a Sponge That Absorbs All Fear」
山田孝之主演の「鴨川ホルモー」主題歌。魑魅魍魎、蜘蛛の糸、神様。空想やファンタジーなものが登場する歌詞でありながら、対比的に人間を歌っている一曲。神様になったらどうする?という問いかけ。変えたいものばかりでいろいろあった人生でもそういうものを背負って、結局あるがままに生きていこうよ、なんだかんだ言って愛すべきこの三千世界を、人間なんだからというメッセージ。changesと同じく、これからの生き方を歌う明るい歌。小出祐介さんはこの歌もやはりあまり好きではなかったらしい。
神様にすがりながらも、それでも人間としてありのまま生きていくことを歌った一曲。
5.LOVE LETTER FROM HEART BEAT
副題は「Punch You Out, Who Said Love Is Subtraction!」
ちょっと切ない恋の歌。出会いから別れてそれからを歌っています。恐らくカナダに転校した彼女へのB5の紙飛行機で送るメッセージ。
初めて聞こえたんだ 耳たぶの染まる音
なんてこれ以上ないくらい甘酸っぱい歌詞がどうして思いつけるんですか小出先生。
聴いた人にしかわからないと思うんですが、
「ラブレタァフロムハートビート」とかは小出祐介の声を変声したものらしいです。
6.ホワイトワイライト
副題は「A Time When 'To Believe' Meant Everything」
アマチュア時代の一曲。モラトリアム。やがて来るその淡い青春の終わり。暗い未来はいらない。そう願って、誰も彼もが夕暮れみたいな一瞬の青春時代を生きている。ちょうど折り返し地点ということもあり、穏やかな曲調の一曲。
7.BREEEEZE GIRL
Base Ball Bear - BREEEEZE GIRL
副題は「To the Girl Who Ran Deep Into My Heart」
爽。
この一言で事足りると思います。
爽やかさ溢れる夏のポップチューン(言ってみたかった)
シーブリーズのCMに抜擢され、Base Ball Bearを一躍有名にしたかもしれない一曲。
8.LOVE MATHEMATICS
Base Ball Bear - LOVE MATHEMATICS
副題は「Too Happy, the Happiness Inside My Head」
アルバム専用曲予定だったのに制作状況からシングルでも販売された、恋愛を数学するという、小出祐介さんの世界観がしっかり表されている一曲。恋は案外数学的だが、理論的だからこそ公式にない恋を君としたい。力強いギターと、恋について解き明かそうと試行錯誤している歌詞がクセになる曲。この例えどうだってこっちに聞かれても。
MVは一風変わったアニメクリップ。
1.2.3.4.5 +1 and +2 and....
1.2.3.4.5 +1 and +2 and....
ここまで8曲ほど紹介させていただきましたが、「なんだよタイアップが多いから名盤だなんて言っているだけじゃないか」なんて思われる方も多いかもしれません。
そんなことはなくて、ここからはアルバム専用曲が並んでいますが、名曲ぞろいです。
覚悟してください。
9.SIMAITAI
副題は「The End of Me ≒ The End of the World / If Our Paths Cross...」
小出祐介さんがこのアルバムで一番歌詞で遊んだと語っている曲。ほんとに歌詞や言葉遊びが多くて、アルバムの歌詞カードを見ながら聴いてほしい一曲。
花束嫌いの 君へのプレゼントは
満天テールライトの首都高でスローモーションな瞬間をあげたいけど
僕は 綺麗な空き箱を あげることしかできなくて
もう何がなんだかわかりませんよね。小出先生、講義とか開いてください。
いま君がいない ただ それだけで 何もかも面白くない
戯れ事も夕食も 何をするじゃなく誰とするか
抱けど持て余した想い 全部伝えたいけれど
新しい形容詞を 捻り出して『しまい太陽』
他にも、遺跡めぐりや目玉焼きを鞄に入れて、なんて普通のラブソングじゃない歌詞がどんどん出てきます。何度も聴いていると、クセになっちゃいます。口ずさむがとても楽しい歌。元気が湧いてくる一曲。
10.海になりたいPart.2
副題は「Don't Cry, Cypress Tree Girl, Don't Cry」
副題の「Cypress Tree」とはイトスギのことであり、花言葉は「死」「絶望」である。
インディーズ時代の曲「海になりたい」と同じ名前ですが、曲調も大きく違いますし違う曲として考えていいと思います。初めて聴いて、このアルバムで一番鳥肌がたった曲。amazarashiの自虐家のアリーでも出てきますが、「海になりたい」っていう言葉の魅力凄すぎませんか。
あなたが今日もまた泣くのなら僕は
あなたを包み込む 海になりたい
絶望する君に、包み込むほどの愛を。唄えない君のために、僕が唄ってあげよう。
そんなメッセージが深く伝わる一曲。
11.レモンスカッシュ感覚
副題は「And What Was Left Was Just the Haze of That Day」
この曲が、半端ないです。
ホワイトワイライトと対になる曲らしいんですが、僕にとってはこの曲が入っているからこそ、このアルバムが一番好きだといっても過言ではない名曲。このアルバムにはラブソングが結構入っているじゃないですか。その中でもダントツでレモンスカッシュ感覚を手に入れることができます。甘酸っぱい恋の感覚。仏像でも拝みに行きたい君欲果てしないって始まり、素敵過ぎませんか。そして、この大サビですよ。
大胆な方法とりたいよ 上映中の闇を使いたいよ
AとBとさ、君を取り合いたいよ
月が浮かぶプールに呼びたいよ
街もよう スクリーンに映し出して
心もよう 逐一伝えたいよ
好きすぎて 好きすぎて
ものすごいレモンスカッシュ感覚に襲われます。
12.ラブ&ポップ
副題は「The Walls」
(WHAT IS THE)LOVE & POP?のアルバム名を冠した最後の一曲。
結局ラブってなんだ、ポップなんだって迷い続けている小出祐介さんの心境が歌詞ににじみ出ています。副題にある通り「心の壁」について歌っており、最初にStairway Generationで歌っていた心に壁を抱えていたとしても上がるしかないようだ。という意志とは反対に、そんな自分の中にある壁に向き合って、いつかその向こうにいる自分もさらけ出したいという心情を表しているのかなと思いました。
以上がこの(WHAT IS THE)LOVE & POP?に収録されている曲たちです。
ラブ&ポップのあとには、隠しトラックが入っていますがそれは自分の耳で聴いてください。途中曲と曲の間がいろいろと工夫されていたりもするので、そういうのも含めて、Base Ball Bearのアルバムでは個人的に最高傑作だと思います。
このアルバムにはタイアップが多く、changesや神々 Looks youなどのその時の小出祐介さんが納得していない曲や自分たちの作りたい曲から離れていってるんじゃないか、そんなもやもやの中で制作されたアルバムだと知りました。そういう悩みを曲にぶつけて、制作されたのかもしれません。 そういう苦悩の果てに生み出されたアルバムだと知って、だからこそこの完成度なのかなとも思いました。
僕は、どんな背景があろうと、このアルバムが好きです。
ギターの湯浅さんが脱退してしまった、という話は前々から聞いていました。
それでも、僕はBase Ball Bearを応援しています。
きっと大変なことは多いかもしれませんが、Base Ball Bearらしさのある曲をこれからも作り続けていて欲しいです。
では、最後にかわいい本田翼を見て、終わりましょう。
ありがとうございました。